4KやフルHDなど、画質の解像度を表す言葉はよく聞くと思う。では、HDRとは一体何だろうか。
一言でいうと、表示されている映像の輝度に関わる技術である。明暗のコントラストがはっきりとした美しい映像を求めるのであれば、HDR対応のディスプレイモニターを使うという選択肢がおすすめだ。
ということで、HDRに対応した4K・フルHDのディスプレイモニター製品を、それぞれピックアップしてみた。
HDR対応のディスプレイモニター
1.BenQ ゲーミングモニター ディスプレイ EL2870U 27.9インチ
- HDRモード対応
- TNパネル
- 応答速度1ms(GtoG)
- AMD FreeSync™テクノロジー搭載
- フリッカーフリー技術
- ブルーライト軽減機能搭載
- 周囲の明るさと色温度を検知して、ディスプレイの設定を自動調整するブライト
- ネスインテリジェンスPlus技術搭載
- HDMI2.0x2
- DisplayPort1.4
- 一体型スピーカー搭載
4KかつHDR対応のディスプレイモニターが増えてきた。
こちらもその一つで、比較的安価な製品が多いBenQが送る新製品だ。
商品名で謳っているようにゲームプレイに適した機能が数多く搭載されており、応答速度の速いTNパネルを採用しているのがHDR対応製品の中でも珍しい印象。
ちょっとまだ実機を見れておらず、
周囲の明るさと色温度を検知して、ディスプレイの設定を自動調整するブライトネスインテリジェンスPlus技術搭載
とのことだが、こちらの機能がどのくらい働いてくれるかが結構気になる。コアなゲーマーは日中帯から夜通しでプレイすることもあるだろうから、周りの明るさや色味に合わせてちゃんと機能するのなら結構役立つのではないだろうか。
まあ違和感があるようならこの機能をオフにして使用すれば良いだろう。
TNパネルによる応答速度1msの実現や、滑らかでカクカクするのを抑えた60fpsのリフレッシュレートなど、カタログスペックを見る限りでは結構豪華な環境でゲームプレイができそうな一品だ。
2.LG モニター ディスプレイ 27UK850-W 27インチ
- 3辺フレームレスベゼル デザイン
- sRGB99%以上/ハードウェアキャリブレーション対応
- 滑らかな描写を可能にする「FreeSync」
- 映像出力のタイムラグを抑える「DASモード」
- 暗いシーンの視認性を高める「Black Stabilizer」
- 入力端子:HDMI(Ver2.0)×2、DisplayPort(Ver1.2)×1、USB Type-C×1
- 5W×2 スピーカー内蔵
- 輝度:450cd/㎡(最大) 350cd/㎡(標準)/応答速度:5ms
- 付属品:HDMIケーブル×1、DisplayPortケーブル×1、USB Type-Cケーブル×1
LGの新製品。画質周りの機能が豊富で、視野角の広いIPSパネルを採用。
ブルーライト低減や、暗い映像の視認性を高める「Black Stabilizer」というゲーム向け機能もある。
HDR10規格に対応しており、SDR映像をHDR画質へ変換するアルゴリズムを実装していることから、"HDR効果"モードを設定することができる。この機能が目玉のようだ。
なおUSB Type-C端子を搭載しており、MacBookなど新型のPCとも変換ハブなしで接続できる点もポイント。
3辺フレームレスということで、上と左右の辺のフレームが薄い。台座部分のデザインもスタイリッシュ。
3.LG モニター ディスプレイ 27UK650-W 27インチ
- 3辺フレームレスデザイン
- 滑らかな描写を可能にする「FreeSync」
- 映像出力のタイムラグを抑える「DASモード」
- 暗いシーンの視認性を高める「Black Stabilizer」
- 入力端子:HDMI(Ver2.0)×2、DisplayPort×1
- 輝度:450cd/㎡(最大) 350cd/㎡(標準)/応答速度:5ms
- チルト対応:-5~15° / ピボット対応 / 高さ調節対応:110mm
- 付属品:HDMIケーブル×1、DisplayPortケーブル×1
先のLG モニター ディスプレイ27UK850-Wと同じシリーズだが、主たる違いとしてこちらにはUSB Type-C端子が搭載されていない。
それ以外の機能は共通している部分も多く、もちろんこの製品もHDRに対応している。
価格もやや下がるため、USB-Cを使わない場合はこちらもあり。
4.LG モニター ディスプレイ 27UK600-W 27インチ
更に、Amazon限定のLG製品。
先のLG モニター ディスプレイ 27UK650-Wとの違いは、台座の高さ調節の有無。
画面の高さにこだわりなく、少しでも安く抑えたい場合はこちらが選択肢となる。
- 3辺フレームレスベゼル デザイン
- 滑らかな描写を可能にする「FreeSync」
- 映像出力のタイムラグを抑える「DASモード」
- 暗いシーンの視認性を高める「Black Stabilizer」
- 入力端子:HDMI(Ver2.0)×2、DisplayPort(Ver1.2)×1
- 輝度:450cd/㎡(最大) 350cd/㎡(標準)
- 応答速度:5ms
- 付属品:HDMIケーブル×1、DisplayPortケーブル×1
5.Acer ET322QKwmiipx 31.5インチ
2017年11月に発売された、比較的新しい製品。
- 31.5型ワイド
- 最大解像度:3840x2160 4K 16:9
- 液晶パネル方式:VA、非光沢
- 入力端子:HDMI v2.0 x 2(HDCP2.2対応)、DisplayPort v1.2
- ヘッドホン端子搭載
- 2W+2W ステレオスピーカー
- 輝度:300cd/㎡(白色LED)
- 応答速度:4 ms (GTG)
- 複数端子入力による2画面表示
HDCP2.2に対応したHDMI2.0端子があり、31.5インチとそこそこ大きめの画面のため4K放送のテレビを楽しむ用途にも向いている。
※テレビ視聴に必要なチューナーと、HDMI2.0対応ケーブルは別売り。
複数端子から入力した2画面を表示する昨日も実装しており、左右に別々の画面を並べることが可能だ。ワイプのように片方の画面だけを小さくしておくこともできる。
液晶パネルの種類はVA方式、応答速度が4msと早めのため、ゲーミングモニターとしての性能もアピールされている。
6.Dell ディスプレイ モニター U2718Q 27インチ
またまたDellの製品だが、こちらは見た目からして一味違う高級な製品。
- DELL HDR、InfinityEdge対応
- 超薄型ベゼル設計の27インチ
- IPS非光沢
- 輝度:350(Normal)-550(HDR)cd/m²、コントラスト比:1300:1
- 応答速度:5ms
- カラー:sRGB/Rec.709 99.9%、DCI-P3 80.7%
- 入出力端子:HDMI2.0, DP1.2,mDP1.2, USB3.0x4
- 高さ調節可能
DELL HDRというPC向けのHDRに対応しており、DELL社の製品では初めてHDRに対応したモデル。色彩やコントラストに大きな違いが出てくる。
画面の縦横回転やスタンドの高さ調節など細かい部分にも対応している上、ブルーライトへの対策など疲れ目に配慮した設計もなされている点が嬉しい。
比較的フレームも薄いため、他のモニターとぴったり並べて使用しても良いだろう。
7.BenQ モニター ディスプレイ EW277HDR
- HDR対応
- 画面サイズ/パネルタイプ:27インチ
- VAノングレア
- 解像度:1920x1080 Full HD
- 輝度:300(Normal)-400(HDRピーク時)cd/m²
- コントラスト比:3000:1
- 応答速度:4ms
- (GtoG)/DCI-P3カバー率93%の広い色域
- 入出力端子:HDMI2.0x2, D-sub,Audio Line in,ヘッドフォンジャック
- 付属ケーブル:HDMIケーブル,電源ケーブル
- ブライトネスインテリジェンス(輝度自動調整機能)
- フリッカーフリー
- ブルーライト軽減モード搭載
こちらはフルHD画質の製品。
もともとHDR画質に対応していない映像でも、エミュレートしHDRモードで表示する機能を持つ。
また最大輝度も400cd/m²と比較的高く、ブルーライトカットによる疲れ目対策やフリッカー抑制など欲しい機能は一通り揃っている印象。
解像度がフルHDで満足できるなら、コスト的にも抑えられるしおすすめの一品だ。
8.JAPANNEXT JN-T2880UHDR 4K HDR対応 28インチ液晶ディスプレイ
- HDR対応
- 60Hz
- 非光沢(ノングレア)パネル
- 28型ワイド液晶モニター
- HDMI 2.0 X2
- DP ( Display port)X2
- FreeSync2
- フリッカーフリー
- ブルーライト軽減
- HDCP2.2
- 2ms (最大)応答速度対応
HDR対応からフリッカーレス、ブルーライトカット、応答速度最大2msにHDCP2.2対応と主要な機能が非常に多く搭載されており、5Wのステレオスピーカーまで搭載されている。
2018年5月発売の新しい製品。
HDRの基礎知識
こちらの記事にも書いたのだが、ここからは、そもそも HDRとはどのような概念なのかを少し解説する。
ディスプレイモニターの輝度
輝度とは、字の如くディスプレイモニターの画面の明るさのことだ。
単位は「カンデラ(cd/m²)」で表される。ディスプレイモニターのスペックで、300cd/m²とか400cd/m²と表記されているのを見た事があるかもしれないが、それが表現できる最大輝度を示している。
この数字が大きくなるほど、画面の明るさの上限も上がる。
目安として、ディスプレイモニターの相場だと300-500cd/m²の製品が多いように思う。
大画面テレビなどの製品は、離れて使用するケースが多いため輝度が高めの傾向がある。
常に最大の明るさでディスプレイモニターを使用するとは考えにくいが、設定の上限値として輝度のスペックも意識してみると良いだろう。
HDRとは
ディスプレイモニターの製品スペックに「HDR対応」等と書かれている事がある。
なんとなく画質に寄与する技術だと想像がつくかもしれないが、具体的にどのようなメリットがありどんな場合にあると良いのか、ここで述べておく。
HDRとは、「High Dynamic Range(ハイ・ダイナミックレンジ)」の略語で、画質の輝度に関わる技術だ。
具体的には明るい部分と暗い部分の差、明暗差をよりはっきりと表現する事ができる。
Range(レンジ)という言葉の通り、明るさと暗さの幅をより広く表す事ができるのだ。
HDRに対し、従来のレンジはSDR「Standard Dynamic Range(スタンダード・ダイナミックレンジ)」と呼ばれている。
SDRでは、明るい部分に合わせれば暗い部分が潰れてしまい、暗い部分に合わせると明るい部分が白っぽくなってしまう。
引用:copyright (c) 1996-2018 EIZO Corporation. All Rights Reserved.
ディスプレイモニターの表現技術では、人間の視覚で捉えられる明暗の範囲をカバーすることができなかった。暗い部分と明るい部分をより自然に、人間の視覚により近づけるための技術がHDRである。
と言っても、HDR技術を用いても人間の視覚には及ばないらしい。
ディスプレイモニターで表現できる明暗のダイナミックレンジは、
- SDR = 10の3乗(cd/m²)
- HDR = 10の5乗(cd/m²)
となっている。 HDRの時点でSDRから100倍の進歩があるわけだ。
それに対し、人間の視覚で認識できる明暗差のダイナミックレンジは、ディスプレイモニター風に表すと10の12乗と言われている。
引用:copyright (c) 1996-2018 EIZO Corporation. All Rights Reserved.
そう考えると、人間の視覚能力が凄まじい。
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