また衝撃的な漫画に出会ってしまった。
この『あそびあそばせ』という作品、最近ネットでも話題になっている作品らしいので、何気なく手に取ってみた(まあ電子書籍買ったんだけど)。
可愛い系のキャラクターを起用したギャグ漫画ということは知っていたが、予想を遥かに超えるクレイジーさだったのだ。
表紙絵に騙されてはいけない。
いや騙されても良いんだけどね。
表紙だけを見ると、女の子たちがキャッキャウフフする絵面が思い浮かぶと思う。
内容的に完全な間違いとは言い切れないのだが、何というかその辺の日常系とは明らかに濃度が違う。
テーマ自体は可愛らしいはずが…
作品のテーマとして"あそび"という要素があり、昔ながらの遊びやお遊戯が作中に登場する。
途中まではそこまで突飛でない(むしろ可愛らしい)展開が続くのだが、唐突にネジが外れ出しておかしな方向に狂い出すのが恒例。
※歯車が狂い出す瞬間の一例
(C)涼川りん/「あそびあそばせ 1巻」より引用
だんだんと狂っていくのではなく、一気に壊れ出すパターンが多い(もちろんのっけから狂っている回も多々あるが)。
そしてその後の展開にはツッコミ不在の狂気が孕まれている。
余談だが、絵柄とギャップがありかつ狂気を孕んだギャグ漫画ということで『プラスチック姉さん』を思い出した。
両者とも笑える作品でそれぞれの特徴があるが、最大瞬間風速という点でいえばこの『あそびあそばせ』に分があるように思える。
『あそびあそばせ』のクレイジーな登場人物
先に言っておくと、まともな人物はほとんど登場しない。
メインキャラクターから脇役まで、例外なく曲者揃いだ。
とはいえ作品を楽しむためには、とりあえず以下の3名を把握しておけば良いだろう。
オリヴィア
1巻の表紙を飾る可愛らしい外国人美少女。小狡いところがあるが基本アホで良い子。
(C)涼川りん/「あそびあそばせ 1巻」より引用
相応のインパクトとクレイジーさを持っているのだが、後述するキャラクターたちのせいでだんだんと常識人ポジションにシフトしている気がする。
彼女が存在することで、作品のビジュアルに華やかさがぐっと増していると思う。
また、美少女キャラクターにはあまり見られない過酷な設定を背負わされている。
(C)涼川りん/「あそびあそばせ 1巻」より引用
華子
メインの3人の中で最も狂っている人物。
(C)涼川りん/「あそびあそばせ 2巻」より引用
理不尽で不条理な展開の多くは彼女が発端となっている。また体を張る場面も一番多く、可哀想な目に遭うことが多い。
彼女の人物像については上手く説明できない部分があるが、この作品の顔芸担当であるということははっきり言える。数ページに一度は彼女の変貌を目にすることになる。
というかこの作品は筋書きよりも華子の多彩な表情にずっと力が入れられているように感じる。
※以下は参考としてほんの一例。
(C)涼川りん/「あそびあそばせ 1巻」より引用
(C)涼川りん/「あそびあそばせ 1巻」より引用
(C)涼川りん/「あそびあそばせ 1巻」より引用
香純
常識人を装いながら、とんでもない発言をぶっこんでくるタイプの変人。
(C)涼川りん/「あそびあそばせ 3巻」より引用
本来ストッパー役として収まるべきキャラクターに見えるものの、全くそのように機能してはいない。むしろ、状況をカオスな顛末へ導く助長をしている節がある。
また多くの場面では照れているか憔悴していることの多い彼女だが、ゲーム性のある展開になると、唐突な強キャラ感を出してくるのも特徴的。
何度でも繰り返し楽しめる
ともかくインパクト重視の作品だ。
新刊が出る頃には、多分筋書きは忘れていることだろう。
だがそれで良い。
新刊を買ったら、また前の巻も読み返せば良いだろう。その度に笑わせてもらえる、きっとそんな作品である。
最近3巻が発売されたばかりでまだ巻数も少ないし、さらっと読めるのでKindle版でもダウンロードしておき、時々読み返すのがオススメの楽しみ方だ。
2017年9月2日追記
4巻が発売された。路線は全く変わっていないが、少しずつ増えてきたキャラクターたちの出番が良い配分である。